#03

2019年10月、当時リニューアルオープンしたばかりの当院で、初めてのお子さん(男の子)を出産した宮本さん。「まるで自宅のように居心地がよかった」という個室での過ごし方、また産後に利用した子育て相談室などについて、お話をうかがいました。

家族が泊まったり、友人が遊びにきたり。家のようにくつろげる。

――青木産婦人科を選んだ理由は?

もともと私の実家が下高井戸で、青木産婦人科は、子どもの頃から何度も受診したことあるかかりつけ。当時は先代の基彰先生に診てもらっていましたが、とてもアットホームな“一番近い”病院だったんです。

師長さんもその頃から変わっていないし、大学病院とは違って、いつも同じ先生が診てくれる。出産のタイミングで実家に里帰りしようと考えていたこともあって、何の迷いもなく「ここで産みたい!」と思って決めました。

しかもタイミングのいいことに、私が出産をする少し前に、新しい建物にリニューアルされたんです。以前の病院はすごく古くて味があったので、もしあそこだったら……(笑)。

――新しくなった青木産婦人科はどうでしたか?

本当に、もう最高でした! 私は3階の和室を選んだのですが、天窓があって明るいし広いし、家族も泊まることができるんです。夫が出産休暇をとっていたので、4日くらいずっと一緒にいられたし、実赤ちゃんが産まれてからは、実家の家族はもちろん、友だちもたくさんお祝いに駆けつけてくれました。

スタッフ総出で、“みんなで産む”のが楽しかった。

――出産がすごく大変だったそうですが。

もう死ぬかと思うほど(笑)。予定日を過ぎても産まれる気配がなくて、1週間くらいたった日の夜中に急におなかが痛くなって、タクシーで病院に来たんです。そういうときも、やっぱり家から近いというのは安心ですね。

私は比較的高齢での出産で、まわりからさんざん出産の話を聞いていたし、覚悟はできているつもりでした。最近は無痛分娩を選ぶ人も多いけれど、「一生に1回かもしれないし、あの痛みを経験しないで終わるのがは嫌だ」なんて意気込んで。でも実際の出産は、その想像をはるかに超えていました。

病院に来てから産まれるまで18時間以上もかかって、ずっと「いつ産まれるんですか?」と聞き続けていました。幸い入院しているのが私ひとりだったので、看護師さんがとにかくしきりに見に来て、気づかってくれたのはありがたかったですね。夜勤の方なんて、動けない私をかついでトイレに連れて行って、サポートしてくれて。入院するのは初めてだったので、「こんなことまでしてくれるんだ!」と感激したのを覚えています。

――そのほかに印象的なエピソードはありますか?

陣痛と出産があまりに大変すぎて、記憶があいまいなのですが……。ずっと苦しんでいる私を見て、看護師さんがアロママッサージをしてくれたんです。あんなに痛かったのに、そのときだけはすごくリラックスして、少し眠ることができました。

分娩室でも、最初は看護師さんと宏明先生の2人だけだったのに、産まれる前には基彰先生までやってきて、おなかを押してくれて。私ひとりのためにスタッフ総出で立ち会ってくれて、“みんなで産む”みたいな雰囲気。つらかったことばかりが記憶に残っていましたが、今思えば楽しかったですね。

産まれてからも、部屋に赤ちゃんと一緒にいてもいいし、ゆっくり寝たかったら預けてもいい。「この時間には、必ずおっぱいをあげてください」というような規則もなくて、全部自分で決められる。看護師さんとは、最後は友だちのようになって、悩み相談までしてしまったくらい(笑)。

子育て相談室は、赤ちゃんの成長や悩みがシェアできる場。

――退院後には、子育て相談室にも参加されたそうですね。

はい、何度か参加しました。出産したばかりの頃って、なかなか赤ちゃんを連れて外出することができないので、子育て相談室が唯一のイベントというか、外に出る楽しみになっていました。

同じくらいの月齢の赤ちゃんがいるお母さんって、悩みも似ているし、そのとき一番話したい相手。成長の様子はもちろん、不安なことなどいろいろな情報をシェアできて、すごくありがたい場でした。

最近(昨年?)この近くに引っ越してきたので、何かあったら、いつでもここに帰ってこられる。私にとって青木産婦人科は、今でもやっぱり“一番近い”病院なんです。