妊婦さんの新型コロナウイルスワクチン接種について(8月16日追記)
2021.8.16
8月16日更新
8月14日に日本の産婦人科学会、医会からも通達が出ました。
以下の通りとなっており、現在の感染が急速に拡がっている状態では、ワクチンの未知のリスクよりも、感染するリスクのほうが大きいと考えられます。
そのため、妊婦さんはワクチンを打つことが強く推奨されます。
以下通知文より
昨今、新型コロナウイルスが若年者を中心に急速に感染拡大し、多くの妊婦さんの感染も確認されていま す。一方で、新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンは、高齢者に限らず基礎疾患を持つ者、 それ以外の者へと順次拡大されております。
1 アメリカ疾病対策センター(CDC)は妊婦さんへのワクチン接種を強く推奨する声明を出しています。 わが国においても、妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。
2 妊婦が感染する場合の約8割は、夫やパートナーからの感染です。 そこで、妊婦の夫またはパートナーの方は、ワクチンを接種することをお願いします。
前回までの記載
まだまだ新型コロナウイルスが落ちつかない状況ですが、
いよいよ新型コロナウイルスワクチンの接種が進んできました。
妊婦さんにとっては情報がはっきりせず打つべきか打たないべきか悩まれている方も多いと思います。
申し訳ないのですが、このブログ内で打ったほうがいいか、打たないほうがいいか結論をつけることはできません。
以下の情報をもとに妊婦さんご自身で受けるかどうかを決めていただければと思います。
ご存じのように、新型コロナウイルスワクチンは妊婦さんに関して安全性が確立していません。
もちろん、一般の方においてもワクチンの安全性が確立しているとは言い切れないのですが、妊婦さんの場合はやはりこれから産まれてくる赤ちゃんへの影響が問題になります。
このワクチンは日本よりも先に欧米などでかなりの数の妊婦さんにも接種されています。そのデータをもとにすれば、ひとまずは安全であると言えそうです。
ひとまずと言ったのは、妊娠中の安全性、産まれるころまでの安全性は分かってきているということです。しかし、産まれてきた赤ちゃんが1歳、3歳、5歳になったときのデータは当然のことながらありません。
この点で妊婦さんに対する安全性が確立されていないと言われます。
一方で、インフルエンザワクチンは妊婦さんに接種が推奨されており、シーズンが始まると高齢者とともに妊婦さんも優先接種となります。これはインフルエンザワクチンの妊婦さんに対する長期的な安全性がある程度証明されているためです。加えて、インフルエンザは妊婦さんで重症化しやすいというデータがあったためです。
重症化に関しては、コロナウイルスは今まで妊婦さんではそれほど重症化しやすいわけではないと言われてきました。しかし先日の関西の報告では妊娠後期では重症化する可能性も報道されました。
こうなると、妊婦さんとしては、コロナウイルスワクチンの未知のリスクとコロナウイルス感染の重症化のリスクを天秤にかけて、打つか打たないかを決めていかないといけなくなります。
日本産婦人科学会としては、現時点ではワクチン接種のメリットがワクチン接種のリスクを上回るのではないかとしています。
6月18日追記
昨日6月17日に産婦人科の学会から新しい提言が出されました。
より安全性に関わる情報が集まったこともあり、前回のものよりより進んで、「希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。」とされました。
妊娠中の接種時期についても、奇形が起こりうる12週以前であっても、奇形の発生が増加したというエビデンスはないため、妊娠中のどの時期でも接種可能としています。
ワクチン接種を希望される妊婦さんはワクチン接種を受けてよいと思います。
8月4日追記
7月30日、アメリカの産婦人科学会は、すべての妊産婦にCOVID-19のワクチン接種を強く勧めるという、今までの勧告より一歩進んだ勧告を出しました。
デルタ株が蔓延してきている今の現状では、妊婦さんがワクチンを打つメリットがより大きくなっていると考えます。